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猫の皮膚糸状菌症

今回は当院皮膚科を受診された猫の皮膚糸状菌症についてご紹介いたします。

 

皮膚糸状菌ってどんな菌?

皮膚糸状菌は真菌(カビの一種)です。

カビの感染と増殖によって、さまざまな症状が引き起こされ、これらの症状を真菌症と呼びます。

皮膚糸状菌症は人を含む多くの動物に感染する人獣共通感染症です。

 

どんなときに疑う?

頭頸部が中心ですが、脱毛部や過剰なフケ、赤くなっていたり痒みがあるときに疑います。

 

どんな検査をして診断する?

まずウッド灯という特殊な光を当てます。皮膚糸状菌は毛に感染しますので、写真にあるように毛の1本1本が光ったら皮膚糸状菌が感染している可能性が強くなります。

 

ウッド灯検査

ウッド灯検査実施時

また感染が疑われる毛を顕微鏡で見たり、培地で培養したりします。

 

どんな治療法をする?

基本的に抗真菌薬の投与で治療します。1~2か月くらいお薬を飲んでいただくことが多いです。

また感染毛をバリカンで刈ることもあります。

シャンプーをしていただくことはほとんどありません。

 

どんなことに注意する?

皮膚糸状菌は人に感染します。人間に感染した場合、リング状の紅斑ができます。

また、皮膚糸状菌は胞子を飛ばしますので、部屋の換気を頻回に行ったり部屋を消毒してもらうこともあります。

 

 

皮膚病は非常に多くの症例があり、診療回数や疾患の種類も多岐にわたります。

一部の疾患には生涯にわたる管理が必要であり、その原因も多岐にわたるため、専門的な知識が不可欠です。

感染症やアレルギー(皮膚炎)など、皮膚に関連する疾患だけでなく、内分泌疾患などが原因となる皮膚病も多く存在します。皮膚病が治りにくい、または何か皮膚に異常を感じる場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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