ペットが高齢になったときに罹りやすい病気として、雌の場合は子宮や卵巣のトラブル、乳腺腫瘍などがあり、雄の場合は前立腺のトラブル、肛門周りの腫瘍などが挙げられます。
これらの病気は、若いうちに避妊や去勢手術を受けることによって、ある程度発症を予防できます。以下に書いたメリット、デメリットをご覧になり、よく考えて手術をするかどうか決めてください。
当院の避妊・去勢手術の特徴
3種類の痛み止めを使用しています
1つ目は注射麻酔時の麻薬系の痛み止め。
2つ目は非ステロイド系の抗炎症剤(人の頭痛薬等と同じ種類のもの)。
3つ目は局所麻酔薬(歯医者さんが処置の時に使うものと同様)です。
手術後に薬は飲ませません
2週間効果が持続する抗菌薬を注射するので退院後に薬を飲ませなくてよいです。
エリザベスカラーはしません
医療用のワイヤーで皮膚を縫うので、ワンちゃんや猫ちゃんが傷口を気にして糸を噛んだとしても糸は切れません。よって基本的には退院後にエリザベスカラーをしなくて大丈夫です。
しかし、稀に傷口を過度に気にすると皮膚炎が起きます。
その場合、術後服の装着も困難であればエリザベスカラーをして傷口を守ります。
避妊手術の流れ(猫ちゃん)
※手術中の写真がございます。ご了承いただける方のみお進みください。
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1注射麻酔後気管挿管を行い、酸素と吸入麻酔薬を吸わせています。
SPO2(経皮的動脈血酸素飽和度)の測定を舌でおこなっています。 -
2右腕には静脈留置を行っていて、左腕では血圧測定を行っています。
心電図の電極も装着されております。直腸温を測るため体温計も挿入されています。
術野の毛刈りが終わっています。 -
3消毒後ドレーピングしています。
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4臍の下を切皮します。
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5卵巣につながっている動静脈を結紮(止血のため固く結ぶこと)し、分離し終わったところです。
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6子宮頚管で結紮を行い、子宮を切除します。
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7切除した子宮です。
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8腹膜を吸収糸(溶ける糸)で縫います。
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9皮下織を吸収糸で縫います。埋没縫合で縫っているため、糸が見えない。
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10皮膚をワイヤー(医療用の金属の糸)で縫います。
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11術後服を着せ、創部を保護します。
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12手術当日の夕方か翌日退院です。
10日~14日後にワイヤー抜糸をするためにご来院いただきます。
図1:卵巣と子宮の解剖図
図2:手術時の結紮と切断図
【図の引用元】
子猫のへや.“猫の去勢と避妊手術”.
https://www.konekono-heya.com/hansyoku/sterility.html
避妊手術(女の子)のメリット・デメリット
メリット
デメリット
去勢手術(男の子)のメリット・デメリット
メリット
デメリット
避妊・去勢手術に適した時期
当院では生後6か月での避妊去勢手術を推奨しています。
手術を受けるにあたっては、ワクチン接種やノミダニの予防をしている状態が望ましいので、6か月以前からご相談ください。
手術は完全予約制になっています。手術を希望される方は来院時もしくはお電話でご予約ください。手術料金や手術を受けるにあたっての注意事項をご説明いたします。