
できる限り歯を残して機能的な咬合が維持できるよう、歯周病治療、歯内治療、矯正治療といった専門性の高い治療も行っています。
当院では、歯磨き指導、歯周病や口腔内トラブルの治療、口腔内外科といった幅広い歯科治療を提供しています。
歯科に関する病気は、口の中の問題だけにとどまらず、心臓病、腎臓病などの原因にもなりうるので予防・治療が重要な病気です。
お口の健康の維持は、動物たちの健康寿命を延ばすことにも繋がります。大切なご家族のためにもお早めにご相談ください。
このような症状がみられたら、まずはご相談ください
・口臭が気になる
・歯が茶色になっている
・歯ぐきが赤く腫れている
・最近よだれが多い
・歯磨きをすると出血する
・食べ物をよくこぼす
・歯が折れてしまった
・顔が腫れている
当院の治療ポイント
また、実際に行う処置内容についても、過去の症例写真などをお見せしながら、なるべく専門用語を使わず、飼い主様にしっかりご理解・ご納得いただけるよう努めています。
診断後は、動物専用の歯科ユニットや、症状に応じた鋼製器具(メス、抜歯鉗子、剥離子など)を使用し、丁寧に処置を行います。
レントゲン画像などは、処置後の再診時に実際にお見せしながら、当日の状況を詳しくご説明いたします。
その一環として、当院の看護師による歯みがき教室を定期的に開催し、ご家庭でのケアをサポートしています。
また、歯科担当の獣医師による定期的な検診も行っており、歯や歯ぐきの状態をチェックするとともに、ホームケアに関するご相談にも対応しています。
術後も、痛みの程度に応じて鎮痛薬を内服で処方することがあり、動物たちが少しでも快適に過ごせるようサポートします。
高齢の動物や基礎疾患のある子にも、それぞれの状態に合わせた麻酔薬の選択や管理を行うことで、執刀医が処置に集中できる環境を整えています。
麻酔についてご不安なことがある場合は、術前に麻酔科の獣医師と直接ご相談いただくことも可能です。
歯周病治療について
歯周病とは、「歯肉炎」と「歯周炎」をまとめた呼び方です。
本来は毎日の歯みがきなどで予防できる病気ですが、わんちゃん・ねこちゃんに歯みがきの習慣がしっかり定着しているケースは、まだまだ多くありません。
そのため、3歳以上のわんちゃんの約80%、ねこちゃんの約70%が歯周病にかかっているとも言われています。
食べ物のカスなどが歯や歯ぐきのまわりに残ると、そこに歯周病菌が集まって「プラーク(歯垢)」ができ、やがて「歯肉炎」を引き起こします。
この段階であれば、適切な治療とケアによって健康な状態に戻すことが可能です。

しかし、治療やケアをせずにそのまま放置してしまうと、炎症が歯ぐきの奥まで進行して「歯周炎」となり、歯を支える骨(歯槽骨)まで影響を受けることがあります。
こうなると、歯がぐらついたり、抜けてしまうだけでなく、ひどい場合はあごの骨が折れてしまうこともあります。
いったん歯周炎まで進行してしまうと、歯ぐきや骨を元の健康な状態に戻すことはできません。
ですが、これ以上進行しないようにするための治療とケアがとても大切です。
また、重度の歯周病では、歯周病菌が血管から全身にまわり、心臓・肝臓・腎臓などの臓器に悪影響を及ぼす可能性があるという報告もあります。
お口の健康は、わんちゃん・ねこちゃんの全身の健康にもつながっているのです。
先生紹介

歯科診療獣医師 倉本聡
プロフィール
メッセージ
獣医師として最も大切なことは、飼い主様とのコミュニケーションだと考えております。
家族の一員であるわんちゃんやねこちゃんの“声”を、飼い主様を通じて聞き取ることが診断、治療につながります。
「ご家族にとってのベストな治療は何か」「生活の質を高めるために必要な事やできることはないか」
それらを一緒に考えたいと考えておりますので、疑問点や不安なことがあれば遠慮無くおっしゃってください。

麻酔科診療獣医師 波田晃
プロフィール
メッセージ
ご高齢や心臓、呼吸器、腎臓の病気などなど… 麻酔にご不安な際はいつでもお気軽にご相談ください!
わんちゃんやねこちゃんの不快感や痛み、苦しさを和らげるご協力をさせていただけたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
医療機器のご紹介
レントゲン
歯の内部や歯根、歯槽骨の状態を把握するために使われます。
歯科鉄製器具
専門的な歯科器具で、歯石除去から高度治療まで、安全性に配慮した精密な処置を提供します。
超音波スケーラー
歯石を除去するための装置です。
心電図モニター
処置中の心拍、酸素飽和度、血圧などをモニタリングします。
麻酔器
麻酔ガスを肺に送り、意識や痛みの感覚をコントロールするために専門の医師が使用します。
歯科治療の流れ
①診療予約
当院の歯科診療は完全予約制です。
まずはお電話または受付にてご予約をお願いいたします。
②歯科診療
まずは問診と口腔内チェックを行います。
口臭や歯石、歯ぐきの赤みなど、気になる症状について詳しくお伺いします。
併せて、自宅でのケアの様子や既往歴、持病の有無なども確認させていただきます。
その後、お口の中をくまなく確認し、現在の状態や考えられる病態についてご説明します。必要に応じて外科治療または内科的なアプローチを検討し、複数の選択肢をご提案いたします。
治療方針は、飼い主さまとしっかりご相談したうえで決定します。
※外科処置が必要な場合は、後日改めて処置日を設けます。事前に、想定される処置内容や合併症のリスクについて、写真や資料を使いながら丁寧にご説明いたします。
③麻酔前検査(外科治療)
外科処置に進む場合、麻酔の安全性を確認するための事前検査を行います。
血液検査や画像検査などを通して、わんちゃん・ねこちゃんの全身状態をしっかりと評価します。
その結果をもとに、麻酔方法や処置内容をより丁寧に計画します。
④麻酔下外科治療
処置当日は、麻酔管理を専門の獣医師が担当します。
麻酔導入後、歯科用レントゲンなどを使用して再度詳細な検査を行い、治療方針を最終決定してから処置を開始します。
※もし処置中に全身状態が不安定になる場合には、動物の安全を最優先し、処置を中断する判断を行うこともあります。
⑤術後再診・内科治療再診
術後は傷の状態確認や経過観察のための再診をお願いしています。
内科治療の場合も、効果の確認や必要な追加治療を検討するために再診が必要です。
また、処置後のケア方法や自宅でのサポートについてのアドバイスも行っております。
うまくケアができない子には「歯みがき教室」や、慣れるための訓練方法をご提案することもあります。
⑥定期健診
わんちゃん・ねこちゃんの歯を健康に保つには、ご家庭でのケアの継続がとても大切です。
ただし、うまくできなかったり、効果がわかりづらいと感じてしまうこともあると思います。
そんな時は我慢せず、ぜひご相談ください。
ケアの進み具合や成果を一緒に確認しながら、必要に応じてアドバイスやサポートを行います。
目安としては、2〜3ヶ月に1回の定期検診をおすすめしています。
当院では、大切なご家族である動物たちが生涯にわたって健康な歯と口腔環境を保てるよう、専門的な検査と的確な診断をもとに、適切な治療とケアをご提案しています。 お口の状態に少しでも気になる点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

