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犬の歯石除去

今回は歯石除去についてご紹介します。
歯石って何?
歯石とは、歯垢が硬化したものであり、歯磨きが不十分な場合、歯垢は犬では3~5日、猫では1週間ほどで歯石に変わるとされています。歯石の表面は粗いため、さらに歯垢が付着しやすくなり、歯周病の原因となることもあります。日常的な口腔ケアで歯石の形成をある程度防ぐことは可能ですが、日常のケアではなかなか触れることができない歯茎の溝や歯の裏側にも歯石は付着しています。歯石は非常に硬いため、一度付着すると歯磨きでは取り除けません。
どんなときに歯石除去を検討した方が良い?
口臭がする、歯茎から出血しているときは歯石除去をご検討ください。
歯周病ってなに?
歯周病は犬や猫の口腔内の病気のなかで最も多い疾患です。
歯周病は、歯を取り囲む歯茎の組織(歯周組織)の病気で、歯槽膿漏、歯周炎、歯肉炎があります。その主な原因は歯石です。歯に歯石が付くと歯茎に炎症が起こり、口臭が発生します。炎症が顎の骨にまで進むと、歯が抜けてしまいます。歯石には様々な病原菌が付着しており、菌の毒素が血流を介して心臓や腎臓の病気を引き起こすことがあります。
どんな検査をして診断する?
顔の外貌に変化がないか、腫れや痛みがないかを視診・触診していきます。
その後、実際に口の中を覗いて歯石や炎症のチェック、歯がグラついていないか、できものがないか等を見ていきます。
レントゲンで顎の骨や歯根を評価することもあります。
どんな治療をする?
歯石の除去や歯周病治療は全身麻酔下にて行っています。診察をして治療が適応であるかお伝えします。
歯石処置前
歯石処置後
麻酔下での歯石除去の流れ
①歯石除去前日
前日夜12時以降は絶食となります。お水は当日の朝まで与えて大丈夫です。
②ご来院
予約当日の9時から10時の間にご来院ください。
診察をしてからお預かりいたします。
③術前検査
お預かり中に血液検査、静脈点滴、そのほか必要であれば画像検査などを行い、麻酔前評価を行います。
④歯石除去
お昼の時間に麻酔下での処置を行います。処置後、麻酔から覚醒するまでしっかりとモニタリングいたします。
⑤お迎え
夕方6時から6時半のお迎えになります。事前の検査や処置後についてご説明します。
歯石除去後はどんなことに注意すれば良い?
一度、歯周病になると歯石が付着しやすい状態になっています。何もしなければ、歯石が付着し、数ヶ月で再処置(スケーリング)になることもあります。
日頃からデンタルケアを実施しましょう!
当院ではご来院されている方限定で、愛玩動物看護師による歯磨き教室を定期的実施しております。お家でのデンタルケアが難しいという方はお気軽にご相談ください。