「うちの子に全身麻酔が必要になったらどうしよう…」
そう思われている飼い主様は、決して少なくないはずです。 大切な家族の一員であるペットの全身麻酔は、不安を感じるものです。しかし、適切な麻酔管理を行うことで、リスクを最小限に抑えた手術や検査を行うことができます。
このページでは、当院の麻酔管理について詳しくご説明します。麻酔とは
麻酔とは、手術や検査などの際に、痛みや意識をなくすための医療行為です。
全身麻酔、局所麻酔、鎮静などのさまざまな方法があり、動物の状態や手術内容に合わせて選択します。
麻酔の方法
| 全身麻酔 | 意識をなくし、全身の痛みを感じなくする方法です。 |
|---|---|
| 局所麻酔 | 特定の部位の痛みだけをなくす方法です。 |
| 鎮静 | 意識を保ったまま、不安や緊張を和らげる方法です。 |
全身麻酔にこんな不安ありませんか?
・高齢だから麻酔のリスクが高いのでは…
・麻酔の専門家にお願いしたい…
・持病があるけど、麻酔に耐えられるだろうか…
・麻酔から覚めた後、ちゃんと元気になるか心配
・手術って痛いんじゃないか?
・なるべく痛くないようにしてほしい
・心臓が悪いから麻酔をかけられないと言われた…
当院では、このような不安を少しでも解消できるよう、麻酔前検査の徹底、認定医による管理など、様々な取り組みを行っています。
当院の麻酔管理について
当院では、飼い主様に安心して麻酔を受けていただけるよう、以下のことに取り組んでいます。

Point① 麻酔前検査の徹底
麻酔をかける前に、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、心電図検査、尿検査など、年齢や健康状態に合わせて必要な検査を組み合わせることで、動物の状態を正確に把握します。
これらの検査によって、心疾患、肝疾患、腎疾患、貧血などの潜在的な問題を早期に発見し、麻酔のリスクを評価することができます。

Point② 麻酔認定医による麻酔管理
当院では専門的な知識と経験を持つ麻酔認定医が在籍しております。当院では、動物種、年齢、品種、健康状態、手術内容などを考慮し、最適な麻酔方法を選択し、麻酔中の状態を注意深く監視します。

Point③ 麻酔機器とモニター
動物用の麻酔機器を使用し、麻酔中は心電図、血圧、呼吸数、体温、酸素飽和度などをリアルタイムで監視します。異常があれば、すぐに対応できる体制を整えています。

Point④ 術後のケア
麻酔から覚めた後の状態を注意深く観察し、必要に応じて保温、酸素吸入、疼痛管理などの適切な処置を行います。また、飼い主様には、麻酔からの回復状況やご自宅でのケア方法について詳しくご説明し、ご納得いただいたうえでお帰りいただけるようサポートいたします。
麻酔の種類
当院では、動物の状態や手術内容に合わせて、下記のような様々な麻酔方法を組み合わせ、適切な麻酔を提供します。
| 吸入麻酔 | 気体を吸入させることで麻酔をかける方法です。麻酔深度の調節が容易で、安全性が高く、様々な動物種や手術に用いることができます。 |
|---|---|
| 静脈麻酔 | 静脈に麻酔薬を注射する方法です。麻酔効果の発現が早く、短時間の手術や検査に適しています。様々な薬剤を単独または組み合わせて使用します。 |
| 局所麻酔 | 特定の部位の神経に麻酔薬を作用させることで、その部分の痛みを遮断する方法です。その他の鎮痛剤と組み合わせることで、全身への薬剤の必要量を減らすことができるため、全身への負担が少なく術後の痛みの軽減にも効果的です。 |
| 鎮痛剤 | 麻酔と併用することで、術中の痛みを抑制し、術後の回復を早める効果があります。局所麻酔や非ステロイド性抗炎症薬 (NSAID) 、オピオイドなど、様々な種類の鎮痛剤があり、手術中だけでなく手術後の痛みのケアも考え、動物の状態に合わせて適切な薬剤を選択します。 |
上記以外にも、動物の状態や手術内容に応じて、様々な麻酔法を組み合わせることがあります。
麻酔専従医の紹介
当院では、飼い主様に安心して麻酔を受けていただけるよう、以下のことに取り組んでいます。
【名前】波田 晃(はだ あきら)
【大学】酪農学園大学
【認定医】
動物麻酔基礎技能認定医
日本獣医腎泌尿器学会認定医
RECOVER CPR Training Certification
【所属学会】
Veterinary Emergency + Critical Care Society(VECCS)/日本獣医麻酔外科学会/日本獣医腎泌尿器学会/日本集中治療医学会/日本獣医輸血研究会
現在は・・・
夜間救急動物病院さいたま大宮SONAC主任
QUARC動物病院 麻酔科
千歳船橋あむ動物病院 麻酔/集中治療アドバイザー
など、8つの病院でフリーランスとして麻酔/集中治療業務に従事
ご高齢の動物や心臓・呼吸器・腎臓などに持病がある場合などなど…
麻酔にご不安な際はいつでもお気軽にご相談ください!
「一緒に少しでもその子の不快感や痛み、苦しさをとってあげる」
そんな治療のご協力をさせていただけたら幸いです。
麻酔に関して不安なことや疑問なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。
よろしくお願いいたします。
当院では、年齢や持病の有無にかかわらず、それぞれの動物に適切な麻酔プランを立て、安全に配慮した治療を行っております。他院で年齢や持病といった理由で麻酔を断られた経験がある方も、まずは一度ご相談ください。
飼い主様と動物たちに安心していただけるよう、丁寧にご説明し、納得のいく治療を一緒に考えてまいります。

